51:「 焼失 」 住宅雑誌リプラン66号(2004年10月1日)より一部転載 牛飼いの家の朝は早く、暗いうちから牛の乳を洗い、乳絞りの準備をする。その日も一仕事終えた親父さんは、朝酌を済ませて玄関脇の和室で眠った。…
50:「 札幌スタイル・デザインギャラリー 」住宅雑誌リプラン65号(2004年7月1日) より一部転載 この四月二十八日(2004年)に、札幌市が運営する「札幌スタイル・デザインギャラリー」がオープンした。小さな正方…
49:「 うちのそとからそとへ 」 住宅雑誌リプラン64号(2004年7月1日)より一部転載 北海道のすまいは温かくするために、まず「うち」と「そと」を断熱材でしっかり遮断しなければならない。そのせいで、閉鎖的なすま…
48:「 大原邸 」 住宅雑誌リプラン63号(2004年1月1日)より一部転載 昭和の初めに、英国の邸宅を見本にしながら建てられた大原邸は、シャーロック・ホームズとワトソン君が訪れる邸宅のような雰囲気をもつ。大きな屋…
47:「 熱波 」 住宅雑誌リプラン62号(2003年10月1日)より一部転載 ことし(2003年)のヨーロッパの夏は、サハラ砂漠の気候が北上して異常な暑さであった。 そんななか、近代建築の巨匠ル・コルビジェの設計…
46:「 楊柳亭 」 住宅雑誌リプラン61号(2003年7月1日)より一部転載 大正十年に移築された、楊柳亭・雨山茶席と呼ばれた茶室を見た。四畳半台目という大きさで、洞床という珍しいタイプの床の間を持つ、意欲的な茶室…
45:「 サポーター 」 住宅雑誌リプラン60号(2003年4月1日)より一部転載 札幌のサッカーチームの[コンサドーレ]は、北海道産の日本語である。小柄ながら、吹雪の中でも立ち続ける北海道生まれの馬を、道産子という…
44:「 フィンランドの教会 」 住宅雑誌リプラン59号(2003年1月1日)より一部転載 今年の春に、三十年ぶりにヘルシンキを訪れた。新しいものを見ることも楽しみであったが、三十年前に見たもののなかで、もう一度体験し…
43:「 碍子 」 住宅雑誌リプラン58号(2002年10月1日)より一部転載 小さくて白い磁器でできた「碍子」を使って、露出で配線したことがある。これは美しい。五十年ぐらい前は、大きな倉庫などで見かけられた配線の方…
42:「 カンテレ 」 住宅雑誌リプラン57号(2002年7月1日)より一部転載 フィンランドの民族楽器カンテレの演奏を聴いた。もともとは、五本の開放弦を持った極めて単純な楽器だが、今回聴いたのは、たくさんの弦を持ち…